【ドローン国家資格を1発合格へ!】2等無人航空機 実地試験 合格対策

ドローン国家資格

ドローンを1から始めた初心者である筆者は、令和4年12月から始まったドローンの国家資格、
2等無人航空機操縦士試験(基本)1発試験に合格しました(令和5年5月)

そこで、ドローンの国家資格に挑戦しようと思っている方へ向けて、

2等無人航空機操縦士試験 実地試験に1発合格する方法を、筆者の体験も交えながら詳しく解説していきます

1発試験で受験しようと考えている方も、登録講習機関で試験を受けようと思っている方も、
試験自体は全く同じものを受けることになります。

ドローン国家資格の概要や、初心者から国家資格を取るまでの方法についてはこちらで詳しく解説

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2等無人航空機実地試験の概要(2024年11月現在)

<2等無人航空機実地試験>とは

無人航空機(ドローン)の国家資格のうち、学科試験を合格した後に受験することになる、
ドローンの操縦技能や、機体の点検確認、安全な運用体制などを理解しているかどうかを問う試験のことです

試験種別は、<基本>、<目視外>、<夜間>、<最大離陸重量25kg以上>に分かれています

>ドローンの国家資格の概要についてはこちらも参照

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2等無人航空機実地試験の内容は、5つの項目に分かれており

1.机上試験
2.口述試験(飛行前点検)
3.実技試験
4.口述試験(飛行後点検)
5.口述試験(事故及び重大インシデント)
・・・基本のみ

これらを順に行って、指示に従って正しく行えているか、不足事項はないかを試験官がチェックし間違った行動や禁止事項を犯した場合は減点されます。

例えば、
・飛行前点検時に、飛行空域周辺の安全確認を怠った場合は、10点が減点される
・技能試験での飛行時に、決められたコースから機体が半分以上はみ出すと、5点減点される
 ↓ 減点について
2等無人航空機原点適用細則.PDF

最初に持ち点が100点与えられ、試験終了時に70点以上残っていれば合格となります。

実地試験の基準として、「無人航空機技能証明の実地試験細則」が国土交通省から定められています

それでは、2等無人航空機操縦者の実地試験(基本)について
各試験項目について詳しい内容と、減点となるポイント、そして合格するための対策を解説していきましょう

・机上試験

<机上試験>は、実地試験の中で最初に行われる試験であり、会場で受付を済ませた後に、会場内の一室で行われるペーパーテストです。

テストの内容は、下記のような無人航空機の飛行計画に関する是非や計画の注意点など
を問う問題が4問出題され、解答時間は5分間です

1つ間違えると5点減点されるので、ここは満点で通過したいところ。

問題に関しては、

・航空法の基本的な理解に対する問い

・飛行計画に対して機体の性能や操縦者の技能、飛行当日の条件が合っているか

飛行中に起こりうるトラブルとその対処として適切なもの

などを問う問題が出題されます

ポイントとしては、
・解答時間が5分しかないので、与えられた飛行計画をじっくり読む暇は無い
・試験開始と同時に1問目の問題に目を通し、その答えとなるキーワードを飛行計画の中から見つけるという回答の仕方が、筆者は良いと思った

・口述試験(飛行前点検)

机上試験の後、実際の試験場に足を運んで、機体や送信機を扱いながら試験を行うことになります

まず<口述試験(飛行前点検)>を行う
実はこの、飛行前点検が実技試験と同じくらい重要なウェイトを占め、かつボリュームも多い

飛行前点検は、細かくいうと下記の3つに分けることができます

 ① 飛行空域周辺の安全確認

 ② 作動前点検

 ③ 作動点検

それでは一つずつ説明していきます。

①飛行空域周辺の安全確認

<飛行空域周辺の安全確認>はドローンを触る前に行う、飛行する場所 や 飛行する方法安全確認です。

下記5つの項目について問題ない事を確認して、大きな声でハッキリと、試験官に伝えましょう

○ 飛行空域及びその周辺の状況に問題はないか。
 (例)「飛行空域及びその周辺、異常ありません」

○ 航空法等の違反はないか。 (飛行する空域や方法は、特定飛行に該当するか)
 (例)「本日の飛行は、特定飛行に該当しないため、航空法等の違反はありません」

○ 必要な許可証、承認証、技能証明証等を携帯しているか。
 (例)「本日の飛行は、特定飛行に該当しないため、許可承認証・技能証明は必要ありません」

○ 操縦者の体調は万全か(体調が悪い、飲酒などしていないか)
 (例)「体調万全です」

○ 飛行空域の気象状況は問題ないか、風速と天気を確認
 (例)「飛行空域の気象状況は晴れ、風速は•••(風速を計測)•••2.0m/s、問題ありません」

・・・屋内で行われる試験の場合、2段落目の特定飛行には該当せず、気象状況の確認も不要となります。が、試験員から気象状況について尋ねられた場合は回答しましょう

②作動前点検

<作動前点検>では、実際に試験で飛行させるドローンを使用し、電源を入れる前の確認を行います

ドローンの日常点検記録表が受験者に渡されますので(下記参考)、試験員の指示に従って点検を行い、点検結果を記載していきます

日常点検記録表.PDF

点検項目(例)
(1) 各機器が確実に取り付けられているか。(ネジ、コネクター等の脱落やゆるみ等)
(2) 機体(ローター/プロペラ、 フレーム、機体識別票等)及び 操縦装置に外観の異常、損傷又 はゆがみ等がないか。

注意点として
点検項目に記載の無い項目について点検を行った場合、試験員の指示と異なる動作として減点対象になる場合があります

特に既にドローンについて詳しく、業務などで飛行させている方は「実際はここも確認したほうが良い」「この部分はいつも点検している」などがあるかも知れませんが、試験と割り切って点検記録に記載されている項目だけ点検しましょう。

③作動点検

続いて、ドローン本体とプロポの電源を入れて、<作動点検>を実施します。
先ほどの日常点検記録表に結果を記載します

<作動点検>
電源は必ずプロポ ⇨ 機体 の順番で入れます。(誤作動を避けるため)

(1) 電源系統(機体及び操縦装置の電源を投入した際の状態)は正常か。
(2) 通信系統(機体と操縦装置の通信状況、GNSSの通信等)は正常か。
(3) バッテリーの残量は十分か。
(4) リモートID機能の作動が正常であるか
 ・・・リモートID非搭載機の場合は、リモートIDが正常に作動していると仮定し点呼を行う
(5) 推進系統(発動機又はモーター等)は正常か。
(6) 自動制御系統及び操縦系統は正常か。機体を離陸地点直上でホバリングさせた状態で、各操縦系統の操作を行い、機体が意図通りに作動するか。
・・・試験員の指示に従って、ドローンを一度離陸させて、推進系統を確認する離陸前に、自身の前後左右、飛行空域の状況、気象を今一度確認してから離陸させる。

○自動制御系統とは、リターントゥホーム(RTH)フェイルセーフ機能(電波異常時の緊急措置)をいう。ここではRTHの高度が正常か、フェイルセーフ設定が適切か(ホバリングなど)をチェックしましょう。

作動点検確認後、 着陸地点の安全を確認したことを試験員に伝え、機体を着陸させる。

・実技試験

ここまできてやっと、ドローンの操縦技術を確かめる<実技試験>に入ります

2等の実技試験は、GPSをONにして飛行安定性が高い状態で実施します。
試験項目としては、下記に挙げる3つの飛行を行い、操縦の正確さ・安全管理ができているかを見られます。

 ① スクエア飛行
 ② 八の字飛行
 ③ 異常事態における飛行

個別のポイント・注意点については後述しますが、飛行試験全体を通してのポイントは

<試験全体を通して注意する点>
① 離陸の前には必ず周囲・気象の安全確認を実施する
② 試験官から操縦の指示があって移動させる前に、必ず飛行経路の安全確認を実施する
③ 試験官の指示に忠実に従い、指示の無い行動は取らないこと(わからない場合は聞き、指示が聞き取りにくい場合はもう一度訪ねる)
④ モニターを注視しない(目視外試験では逆にモニターから目を逸らさない)
⑤ 着陸前に着陸地点と周囲の安全を確認する

上記項目は実技試験全体を通して守る必要があります。
続いて、それぞれの飛行試験について説明します。

スクエア飛行

引用元:@fukuchan_drone(ふくちゃんのドローン教室)

上記動画のように、試験官の指示に従って進行方向を変えながら直線移動を4回行い、スクエア飛行を行います。

移動時に、決められた範囲から逸脱すると警告音がなります
1回目の逸脱は警告音が鳴ってすぐに正しい経路に戻れば減点されないので、警告音が鳴っても落ち着いてゆっくり経路を修正すること飛行経路に戻らない場合は、持ち点から−5点される

また、飛行経路を大きく逸脱し、不合格範囲に機体の半分以上がはみ出した場合、その場で不合格となってしまうので注意しよう(2等の場合は飛行安定性が高い状態での試験なので、機体を初めて触るとかで無い限り大丈夫だとは思う)

着陸時には、勢いよく着陸したり、機体がコケてしまうと減点になるので、ゆっくりと着陸させましょう

八の字飛行・異常事態における飛行

引用元:@fukuchan_drone(ふくちゃんのドローン教室)

八の字飛行、異常事態における飛行のポイントも、前述のスクエア飛行のポイントと同様です
八の字飛行は、スクエア飛行よりも操縦の難易度が高くなっており、特に屋外で行う試験の場合はGPSがONの状態でも風が強い(風速3m/s以上)場合は舵を取られてしまう危険性もあります
必ず一度、自分で練習をやっておくことをオススメします

そして、異常事態における飛行はGPSを切った状態で行うため、風速の影響が大きい
・GPSを切った状態でのホバリング
・GPSを切った状態での平行移動
を安定して出来るようになるまで練習してから試験に挑みましょう

・口述試験(作動後点検)

<作動後点検>は、操縦が終了した後、電源を切るところから始まります。作動前点検時に渡された点検表と飛行記録表が試験官から渡されるので、機体をチェックしながら記載していきます。

点検表の下部にチェック項目があるので、そこに下記項目を確認して、問題の有無を記載します。

飛行記録表.PDF

点検項目(例)
(1) 各機器が確実に取り付けられているか。(ネジ、コネクター等の脱落やゆるみ等)
(2) 機体(ローター/プロペラ、フレーム、機体識別票等) の外観、損傷、ゆがみ等がない か。
(3) 各機器の異常な発熱はないか。
(4) 機体へのゴミ等の付着はないか。

続いて、飛行記録表(下記参考)に記入を行います。

記載項目は、左上から順に、
<機体番号>、<日付>、<場所>、<飛行目的>、<離陸時間>、<着陸時間>、<総飛行時間>、<問題の有無>、となります

離陸、着陸時間については試験官に聞けば教えてもらえます

・口述試験(事故及び重大インシデント)

最後に、試験場で口頭による<口述試験>が行われます

ここでは、事故重大インシデントについての理解と事故の対応方法について問われます。

事前に学習しておき、焦らずゆっくりと解答しよう。

<事故>
a. 無人航空機による人の死傷又は物件の損壊
人の死傷に関しては重傷以上を対象とする。物件の損壊に関しては第三者の所有物を対象と
するが、その損傷の規模や損害額を問わず全ての損傷を対象とする。
b. 航空機との衝突又は接触
航空機又は無人航空機のいずれか又は両方に損傷が確認できるものを対象とする

<重大インシデント>・・・事故が発生するおそれがあると認める事態
① 重傷に至らない無人航空機による人の負傷
② 無人航空機の制御が不能となった事態及び無人航空機が発火した事態(飛行中に発生したものに限る)
③ 飛行中航空機 との衝突又は接触のおそれがあったと認めた事態、

事故等が発生した際の適切な処置 について受験者が理解しているか どうかを判定可能な質問を行い、 口頭で答えさせます。(又は用意された様式に記入させる)

<事故を起こしたら>
① 直ちに当該無人航空機の飛行を中止する
② 負傷者がいる場合にはその救護・通報し、人の安全確認を第一に行う。
③ 事故等の状況に応じた警察への通報、火災が発生している場合の消防への通報など、危険を防止するための必要な措置を講じる
④ 当該事故が発生した日時及び場所等の必要事項を国土交通大臣に報告しなければならない

国交省 事故及び重大インシデントの概要

まとめ

以上が、筆者の体験も交えた2等無人航空機実地試験(基本)の試験解説です。

この試験は、操縦の技術を見るものというよりも、プロとしてドローンを安全に運用できる事を問われていると考えられます。

その為、実技試験よりも、飛行準備や点検、安全確認の占める割合が多くなっている。

操縦技術も確かに重要だが、それ以上に、飛行の安全に関する知識管理能力が試されていると思います。
ドローンの点検項目や操縦前のプロポ画面確認での状態確認などをしっかりと勉強し身につける事が大切です。

また、実地試験の模擬テストを少なくとも1度は自分で行っておくと良いでしょう。
その際は、飛行前の安全確認項目など必ず声に出して練習する事をオススメします。

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